ブログトップ | ログイン
わくわく挿絵帖
sashieari.exblog.jp
絵描きになりたいと思ったとき
b0185193_16475642.jpg


 子供の頃、寝ていた部屋に二曲の枕屏風が立て掛けてありました。その屏風には北斎や広重の風景版画が貼られていて、僕は寝る前にその絵を覗き込むのが日課となっていました。

 絵の中には総てが描かれていました。人物、草木、動物あらゆるものが簡素な線と少ない色で表現されています。それは魔法を見ているようでした。

 例えば空から青のグラデーションを下ろしてくれば画面は昼になり、地平線から赤色を上げて行けば、そこは夕暮れになります。そして、その色を変えれば夜にも曇り空にも見えます。また髪の毛ほどから親指までの線の太さを変化させ、そこに濃淡を加えます。すると、あらゆる形や動き、遠近までも表すことが出来ます。

 その技は見る度に驚きでした。子供は魔法使いに憧れます。ぼくは特に北斎が贔屓になりました。魔法が強力に思えたからです。僕は北斎のようになりたいと思いました。

 これが絵描きになりたいと思った、始まりかもしれません。

b0185193_1812112.jpg

by arihideharu | 2009-12-19 20:00 | 挿絵 | Comments(0)
<< 少年雑誌の付録