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わくわく挿絵帖
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もうひとつの世界(3)
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 高校の頃、美術部の隣に文芸部があったという話しを前回書きました。その彼らから、いろんな本を教えられました。その中でかなり強烈だったものがあります。

 寺山修司の「書を捨てよ、町に出よう」を代表する著作物です。これには驚きました。何故なら、これ全編もうひとつの世界だったからです。

 ぼくがそれまでしていた空想は現実離れした、予定調和の世界です。しかし寺山修司のもうひとつの世界はその逆ともいえるものでした。

 つまり、こうです。呪文を唱え、もうひとつの世界への扉を開け中へ入ります。すると、そこには自分がいるいつもの現実の世界と、寸分違わない世界があったのです。しかし、どこか違います。明らかにもうひとつの世界です。この感覚を確認するために、もとの世界に帰ります。ところが現実の世界のはずがどこか変です。

 迷宮に入り込んだのです。もといた世界に本当に帰れなくなった恐怖が、ぼくを襲います。

 明らかに大人の世界へ入り込んだ自覚をした瞬間です。

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by arihideharu | 2010-02-21 11:41 | 読書 | Comments(0)
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