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わくわく挿絵帖
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少女漫画
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  かつて漫画の中心が貸本屋にあったとき、足元から天井までぎっしり置かれていた本は、ぼくの中で2種類に分かれていたと前に書きました。すなわち手塚治虫と白土三平のグループです。前者は現代と未来に題材をとり、後者は過去にそれを求めました。実はもう一つジャンルがありました。

 それは少女漫画です。

 これはぼくが一冊も手を付けたことのない分野です。

 巷間、少女漫画は手塚治虫の「リボンの騎士」から始まると云われています。それはかなり正確と思われます。というのはぼくは「リボンの騎士」でさえ途中で読むのを放棄したからです。

 少年時代のぼくにとって、自分と置き換えることの出来ない物語は手に取るに値しなかったのです。そして何より少女漫画の描き手は少年漫画の描き手より、絵が下手に見えたのが致命的でした。
 
 その後、少女漫画は大いなる進化をとげます。さらに睫毛は伸び、瞳は益々輝きを増し、そして手足の長いあの奇妙なプロポーションを手に入れます。

 もっとも、この人体表現の奇妙さは黎明期から少女漫画はもっていました。それはデッサン力の甘さが大きく関わっていたとぼくは考えています。

 そして、このデッサン力の甘さはその後の少年漫画にも言えることでした。圧倒的トレーニングのあとが見えるアメリカンコミックと違うところです。

 ただ、これらの少女漫画の特徴が記号化され量産化される過程で、近年のアニメでは少年漫画の世界観と融合し、不思議なSF世界を産み出したのは、ぼくにとってはかなりの想定外でした。
 
 何故なら、竹久夢二や中原淳一が描いた睫毛が長く、大きな瞳を持った大正・昭和のメランコリックな美少女たちが、剣を持った半裸の女戦士に進化したのですから。

 いや待てよ!「リボンの騎士」とどこが違うんだ!

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by arihideharu | 2011-08-03 20:25 | 挿絵 | Comments(0)
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