ブログトップ | ログイン
わくわく挿絵帖
sashieari.exblog.jp
映画『かぐや姫の物語』
b0185193_4165034.jpg


 しばらく芸術に力があることなど忘れていました。おそらく歌舞音曲から文学美術にいたるまで、世のなかに大量に消費されていく芸術が溢れているせいでしょう。あるいは、作品一つひとつに込められた魂に気を配る暇などないという現代人の弁明に、ぼくも流されているからでしょう。
 それでも時折、だれもがはっと驚く作品が目や耳に飛び込むことがあります。やがて、それらが時代の流れを変える力をもつことになったりします。

 映画『かぐや姫の物語』が時代を変えるほどの作品かはしりません。しかし、通常の作品の100本分ほどの力があるとぼくは思いました。
 この『かぐや姫の物語』は、未知の世界からやってきた美しい娘のファンタジーなどではありません。
 人が産まれ、育ち育てらえれ、学び恋し、希望と挫折をしり、信頼と不信のなかで短い命をまっとうする、われわ自身の物語です。
 
 子を育てた者ならしっています。幸福と希望は産声の中にあり、喜びは子の成長にあることを。
 人生の蹉跌は二度やってきます。最初は青春のなかで、二度目は老いのなかです。そのときわれわれの希望は命のバトンを渡すことです。

 この映画は「人」の通常の営みを、画風においても筋立てにおいても可能なかぎり粉飾を排し、こつこつと素朴に描いていきます。それが心のど真ん中に突き刺さります。
 『かぐや姫の物語』は世界中の人々に観てもらいたい作品です。

 追伸。
 この映画を観て帰ると、郵便受けにネットで予約していた、期待のSF青春映画『クロニクル』が入っていました。
 早速、深夜に観ました。
 結論から言うと、ぼくにはこの映画は人生のごく一部しか語っていない、通常の作品にみえました。
by arihideharu | 2013-12-19 04:14 | 映画・演劇 | Comments(0)
<< 明けましておめでとうございます。 家紋 >>