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わくわく挿絵帖
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八丁堀の朝(日髪日剃)
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 「髪結い伊三次」を読みながら、考えていたことです。

 八丁堀の役人は日髪日剃といい、毎日出仕前に湯屋へ行き、出入りの髪結いに月代とヒゲをあたらせ髷を結い、颯爽と奉行所へ出かけたと解説本に書いてあります。
 そこに疑問が浮かびます。
 
 幕末には町奉行所南北合わせ、与力50騎と同心240人前後、見習いを入れたら約300人ほどが勤務していたと思われます。としたら、一斉に湯屋に行き、職人に髷を結わせたとしたら、どうでしょう、あまり現実的数字ではないような気がします。
 
 少し具体的に考えるなら、同心は8時から与力は10時からの勤務ですから、2・3時間ほどの間に、髪結い1人で5・6人仕上げるとしても、5・60人の髪結いが必要です。
 かつ、近所にどれほどの湯屋があったか分かりませんが、湯屋は一丁に一戸が原則のようですから、せいぜい三軒。とすると、2時間ほどの間に100人が一軒の湯屋に押し寄せることになります。
 もし本当なら朝の一時は湯屋は込み合い、八丁堀の往来は髪結いだらけになることが想像出来ます。
 
 ただ調べてみると、風呂屋の営業時間はたいてい朝8時からのようなので、同心の朝風呂は難しいのが現実となってきて、朝風呂に関しては与力だけと考えた方がいいようです。


by arihideharu | 2016-09-02 11:10
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