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わくわく挿絵帖
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元禄期
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 元禄期を扱う新聞小説の挿絵を控えているので、この時代を調べ始めました。
 挿絵画家を始めたとき、江戸時代の女性の髪型と帯の結び方の種類の多さに目眩がしそうになりました。とても歯が立ちそうにないと思ったからです。手元の資料も乏しく浮世絵に見る髷や帯の結い方は解けない数式を見るようでした。
この頃は資料も少しは増え、ごまかせる程度になりましたが。なに、リアリティーとはほど遠いことは本人がよく知っています。
 ところが、ここへ来て膝を叩くことになりました。江戸時代の多様さは、元禄期あたりから枝葉が分かれることが見て取れたからです。
 天保のころの絵師、喜田川守貞が記した風俗史『守貞謾稿』を見ると、この時代女性の帯の結び方は代表的な吉弥結びや水木結びしろ、それらは今で云う文庫結びが基本になっていて、ほぼ一種類であることが分かります。ただ、今よりだいぶ細帯で結んだ感じが固さがなくゆったりしています。これがそれ以降のバリエーションの要と考えていいようです。
 また、髪型は江戸初期の頃は貴賤を問わずまだ下げ髪が基本でしたが、当然長い髪のままでは日常生活にじゃまですから、紐などで結わえたり、太い箸のようなコウガイという棒を芯にぐるぐると巻いたり、あるいは髪のみで結んだりしました。これが髷の始まりで、それぞれに決まった名称や遣り方もなかったところから始まります。それが元禄あたりから洗練されたり、あるいは流行が起きたりして、今に残る名称が増えていったいう経過のようです。 
 また『守貞漫考』によると、元禄期ではまだ帯の結び方や髪型に貴賤に大きな違いはなかったようです。それがやがて下げ髪は貴人のみに残り、一般は髷を結うのが常態になり、帯の結び方と供にさらに洗練され複雑化していったという訳です。
つまり元禄期を押さえると色々なものが見えてくるということになります。有り難い仕事が舞い込んだものだと、今胸を撫で下ろしているところです。

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by arihideharu | 2010-03-17 05:07 | 挿絵 | Comments(0)
忍者もの
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 もの心がついて、一番最初になりかったものは魔法使いでしたが、簡単になれないことはすぐに分かりました。それは、呪文を唱えても術が掛からなかったからです。魔法使いは生まれついての資質が不可欠と諦めるしかありませんでした。

 次になりたかったものは、忍術使いでした。それは現代がイメージする忍者ではなく、巻物を口にくわえ印を結ぶと白い煙が立ちのぼり、姿が消えたり蝦蟇に変身したりというアレです。しかし、なるための修行の方法が分からなかったし、今に残っているとは思えませんでした。

 そこに登場しましたのが忍者でした。忍者の修行の仕方はすぐに分かりました。少年漫画誌に絵や写真入りで丁寧に解説されていたからです。ぼくは努力すればなれそうな気がしました。それには、白土三平の漫画やテレビの忍者ものの影響が大きかったのは勿論です。

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by arihideharu | 2010-03-15 04:47 | 思い出 | Comments(0)
柳生もの
 
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 家族に引きこもりと呼ばれているぼくは、1日1回の散歩とお昼は外食にするということを決まり事にしています。昼食時は行儀が悪いのですが、仕事の原稿を読みながら食べます。気に入った蕎麦屋があるので、だいたいそこへ行きます。

 読む原稿がないときがあります。そのときはリュックに入っている数冊の文庫本の中からそのときの気分で選びます。
 
 近頃、必ず開く本があります。「柳生の剣、八番勝負」(廣済堂文庫)というアンソロジーです。
  
 去年出た本ですが、少しずつ読んで楽しんでいます。この本は8人の作家(柴田錬三郎、五味康祐、白井喬二、羽山信樹、戸部新十郎、新宮正春、山岡荘八、隆慶一郎)の名品が入っていて、それぞれの個性が味わえる面白さがあります。しかし、なんと言っても最大の魅力は「柳生もの」ということにあります。何故なら、「柳生もの」が今も昔もチャンバラ小説の王道だからです。

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by arihideharu | 2010-03-12 18:08 | Comments(0)
リアリティー
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 絵というものは感動とかリアリティーを追い求めるものですが、やはり虚構です。 虚構は現実には敵いません。これは日々の感想です。それでも、虚構と現実の追っ掛けっこが絵描きの仕事だと思っています。  

 そんな絵描き人生の中で、最大の感動はなんだったと問われれば、ぼくは迷わずこう答えます。それは自分の子供が誕生したときですと…。

 これは経験したことのない感動でした。おそらく、人間の本質と直結した喜びから来ているからだと思います。

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by arihideharu | 2010-03-07 01:32 | Comments(0)