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わくわく挿絵帖
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落とし差し
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 ぼくはほんの少しだけ、居合いを習ったことがあります。商売上、刀の握り方ぐらい知っておいた方がイイと思ったのもありますが、子供のときからのチャンバラ好きが一番の理由です。今でも時々自宅で稽古着に着替えて、居合いを抜いています。

 家の中で刀を差していると気がつくことがあります。それはいかに刀が邪魔だということです。漆を塗った鞘が、やたらとモノに当たるのです。気を付けていても、ちょっと振り向いただけで鞘が椅子やテーブルに当たるのは予想外です。

 そうすると、することは一つです。「落とし差し」です。柄を胸元に当てて、刀を持つしかありません。

 江戸の侍が閂差し(かんぬきざし)をする地方出の侍を揶揄するのは、従来ならだらしないと見られた「落とし差し」が江戸のマナーだったからだと鞘をぶつける度に思います。

 ただ、絹ものの上等な帯を締めて、着流しに刀を差すと構造上、自然に「落とし差し」になるということもありますが…。 

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by arihideharu | 2010-04-30 22:05 | 挿絵 | Comments(0)
乳金具
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 時代小説の挿絵に背景として門を良く描きます。それは門の形が美しく絵にし易いせいですが、また門の様式には色々な意味があり、舞台設定と重要な関係がある為でもあります。その場合、門は正面から描くことがどうしても多くなります。描き易いし、美しい構図だということもありますが、実はそれ以外のアングルからの資料が少ないせいでもあります。

 昨年、播州赤穂に取材に行ったときのことです。ぼくはチャンスとばかりに武家や寺社の門に出くわす度に、様々なアングルから門を観察しました。

 門金具の仲間に乳金具というお椀状のものがあります。ぼくはそれまで正面からの認識しかありませんでしたので、横からじっくり観察しました。ぼくは思わず吹き出しそうになりました。それはあまりにリアルだったからです。乳金具は名に偽りなく、乳首から乳輪まであからさまに立体化したものだったのです。武家や寺社の門にオッパイがぶら下がっていると思うと面白過ぎです。

 ぼくはこのことを早速、同行の美しい女流作家に注進しようと思いました。が、彼女は遥か先を行っています。そして、やっと追いついたときは言うのを忘れてしまいました。

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by arihideharu | 2010-04-22 18:22 | 挿絵 | Comments(0)
ああ残念!
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 きょうは快晴。ひときわ散歩日和です。Ipodで木村カエラを聞きながら、国分寺駅まで足を運び、駅ビルでウインドウショッピングをしてリターン。

 Ipodでは大仏次郎の「赤穂浪士」が流れ始めます。芥川隆行の朗読。名調子です。滑舌のイイ江戸弁風の男っぽい声です。そして時々、女性の台詞のところは艶やかな女優の声に交代します。このバランスが絶妙です。長い小説ゆえ、いつも畳替えの場あたりで家に着いてしまいますが、きょうは刃傷の場を聞くことが出来ました。山を越えた感じです。

 この朗読を聞いていつも思うことがあります。松平定知アナの朗読による藤沢周平シリーズです。女性の台詞のところが玉に傷なのです。松平アナが女のこわいろ(声色)で演じるのですが、ぼくには無理があるような気がします。せっかく広がったイメージがそこで途切れてしまうのです。ああ残念!

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by arihideharu | 2010-04-10 20:16 | 暮らし | Comments(0)
門番の二本差し
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 先日、江戸町奉行所の門番のスタイルがどうだったか調べました。大名家の門番は足軽身分で、腰には刀を2本差していましたが、はたして町奉行所の門番は2本指しだったか迷ったからです。映画やテレビでは多くは小刀を一本差しているだけです。

 「江戸町奉行所事典」(笠間良彦・著)という本があります。こういう時に頼りになる本です。しかし、門番についての記述は残念ながらありませんでした。そこで他の笠間良彦・著の本を調べました。すると、ありました。記述ではありませんでしたが、門番のイラストが見つかりました。笠間良彦さんはイラストも描く時代考証家です。そこでは門番は股立ちを高く取り、刀を2本指していました。納得です。
 江戸町奉行は旗本職ですが、町奉行所の格式は大名並に扱われ、門構えも南町奉行所など唐破風屋根の両番所が付いており、堂々たるものです。
 まあ、そこで門番も大名並ということなのでしょう。

 笠間さんは長寿を全うし、近年お亡くなりになりました。つくづく、こういう方の仕事が昨今の歴史ブームを陰から支えているのだと思います。

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by arihideharu | 2010-04-02 04:50 | 挿絵 | Comments(0)