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わくわく挿絵帖
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「めまい」

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 先週あたりまでBSでヒッチコック特集をしていました。その中でぼくは「めまい」を見ました。数多い名作の中で特にこの作品を見たいと思ったのは、勿論キム・ノバックを堪能したいというのもありますが、実はジェームズ・スチュワートが演じる主人公の昔の彼女が住むアパートのセットをもう一度じっくり見たいと思ったからです。

 彼女の職業は画家という設定で、アパートの広いフロアはアトリエになっています。このセットが実に素敵に出来ていて、こんなアトリエをいつか持ちたいと「めまい」見た当初からずっと思っていたのです。とはいうものの、このアトリエの細部の記憶はかなり薄らいでいます。ですから、再確認しておきたかったのです。

 20畳を少し超えるぐらいの部屋でしょうか。ゆったりとした窓には、すだれのブラインドが掛かっていて少し南国を思わせます。部屋の中央には商売道具の仕事机、イーゼル、壁にはたっぷりの本棚を置いています。空間はまだまだ残っています。そこにはささやかな台所とバーカウンター、ソファーや椅子がきれいに配置されています。空いた場所ではちょっとした運動も出来そうです。けっして大き過ぎず豪華でもないのが魅力です。むしろアメリカの基準からいったら、かなり質素かもしれません。

 こんなアトリエが欲しいと思ってから大分経ちますが、ちっとも実現せず、狭い我アトリエといったら、書き損じの下絵や資料の山は乱雑を極め、どこから手を着ければ片付くのか、正月を前にして嘆息をつき「めまい」がしそうです。

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by arihideharu | 2010-12-27 00:17 | 映画・演劇 | Comments(0)
映画「武士の家計簿」
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 映画「武士の家計簿」を見てきました。丁寧な作りで最後まで好感を持って見ることが出来ました。特に猪山家の生活の場である屋敷内のシーンはセット撮影でしょうか、武家の端正な暮らしぶりが良く伝わってきました。建物、部屋、調度、着物といった大小道具類が、さすが加賀前田家。家中の暮らしぶりもあか抜けている、と感じさせるに十分でした。

 出色は、猪山家の若き当主を演じる堺雅人の顔に貼りついたようなアルカイックスマイル。一度見たら忘れられない飛鳥仏を思わせる笑い顔です。これが藍染めの着物に袴裃を着けるとよく似合い、城勤めの侍が美しいと感じられたのは驚きでした。

 さてこの映画、70石取りの家にしてしては少し優雅過ぎる暮らしぶりと見ていたら、突然どん底の借金生活。さてこれからどうなるか、どうやって借金を返済するか、これが山場であり見所となっていきます。

 ねらいどおり借金返済の過程は面白く、盛り上がります。ところが振り返って、何故あれほどの借金生活に入ったか、こちらの理解力が乏しいせいか、とんと分からずじまい。財政難の時代、質素倹約が侍の本分とするはいいのですが、一方で昔の日本人の粋なお金の使い方や渡し方をドラマで見たいという欲求がムクムクと強く沸き上がりました。

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by arihideharu | 2010-12-15 05:08 | 映画・演劇 | Comments(0)
「四十八人目の忠臣」3
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 毎日新聞の連載小説「四十八人目の忠臣」も150回を優に超え、いよいよ後半戦。各々が仇討ちの決意を固め、団結に向かうところまできました。
 
 実はここまでくる間、挿絵の中で大きな間違いを一つ犯してしまいました。それは85回目、勅使を迎える場面です。絵柄の背景に徳川家の葵紋を染めた垂れ幕を配したのですが、その葵紋を逆さに描いてしまったのです。読者の指摘を受けて初めて気がつきました。嗚呼!痛恨。後の祭りです。余りにあからさまなミスで、ごめんなさいというしかありませんでした。そして、しばらく落ち込みました。

 なぜ失敗したかといえば、普段ならフリーハンドで描くところを葵紋を大きく詳しく描くために手本を拡大コピーし、トレスしました。そのときコピーした紋を逆さ置いてトレスしてしまったのです。

 実はこういうことがぼくの場合時々起こります。というのは、絵の中に文字や意味のある記号を書くとき、それを絵として描いてしまい、読むことを忘れてしまうのです。そういった間違いを防ぐためチェックを心掛けていたのですが、このときばかりは忘れたてしまったのです。プロとして恥ずかしい限りです。


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by arihideharu | 2010-12-06 20:27 | 挿絵 | Comments(0)