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わくわく挿絵帖
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肖像画
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 時々無性に食べたくなる近くのラーメン屋の壁に、中華麺の歴史を紹介するポスターが貼ってあります。それには大仰にも歴代の中国皇帝の肖像画が十点余り顔だけトレミングして、飾りとして使っています。
 
 ラーメンを食べながらその肖像を見ていたら、その半分以上が真正面から描かれていることに気がつきました。シンメトリーの構図です。ぼくはちょっと驚きました。

 日本の古い人物描写は真正面から描くことは稀です。天皇や将軍の肖像にしても少し斜めから描くのが常です。ごくたまに滑稽さを表現するためにあえて真正面を使うことがあります。おかめひょっとこの類です。あとは群像の中で貴人を浮き立たせるために、ひとりだけ正面を向かせることがあります。「そう!」、仏画はシンメトリーですがこれは例外です。

 ここまでは連想ゲームのように、ラーメンを食べているうちに浮かびました。すると朝鮮など他の国はどうなんだろうという疑問が生まれます。

 さっそく家に帰って朝鮮王の肖像画をネットで検索しました。中国の遣り方を踏襲しています。琉球もこの遣り方です。東南アジアはよくわかりませんでした。

 日本はこのシンメトリーの構図が嫌いらしいという事実が少し浮かび上がります。

 ところが写真の時代に入り状況が変わります。我々は真正面の顔に違和感を覚えなくなります。現在ほとんどの写真ポートレートはこれです。現代人は肖像画においては皇帝並みというこでしょうか。

 人物を左右対称に表現するのは極めて原始的遣り方です。幼児は正面の顔しか描けません。しかし最も力強い方法です。

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by arihideharu | 2012-03-19 04:38 | | Comments(0)