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わくわく挿絵帖
sashieari.exblog.jp
忍者もの
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 もの心がついて、一番最初になりかったものは魔法使いでしたが、簡単になれないことはすぐに分かりました。それは、呪文を唱えても術が掛からなかったからです。魔法使いは生まれついての資質が不可欠と諦めるしかありませんでした。

 次になりたかったものは、忍術使いでした。それは現代がイメージする忍者ではなく、巻物を口にくわえ印を結ぶと白い煙が立ちのぼり、姿が消えたり蝦蟇に変身したりというアレです。しかし、なるための修行の方法が分からなかったし、今に残っているとは思えませんでした。

 そこに登場しましたのが忍者でした。忍者の修行の仕方はすぐに分かりました。少年漫画誌に絵や写真入りで丁寧に解説されていたからです。ぼくは努力すればなれそうな気がしました。それには、白土三平の漫画やテレビの忍者ものの影響が大きかったのは勿論です。

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# by arihideharu | 2010-03-15 04:47 | 思い出 | Comments(0)
柳生もの
 
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 家族に引きこもりと呼ばれているぼくは、1日1回の散歩とお昼は外食にするということを決まり事にしています。昼食時は行儀が悪いのですが、仕事の原稿を読みながら食べます。気に入った蕎麦屋があるので、だいたいそこへ行きます。

 読む原稿がないときがあります。そのときはリュックに入っている数冊の文庫本の中からそのときの気分で選びます。
 
 近頃、必ず開く本があります。「柳生の剣、八番勝負」(廣済堂文庫)というアンソロジーです。
  
 去年出た本ですが、少しずつ読んで楽しんでいます。この本は8人の作家(柴田錬三郎、五味康祐、白井喬二、羽山信樹、戸部新十郎、新宮正春、山岡荘八、隆慶一郎)の名品が入っていて、それぞれの個性が味わえる面白さがあります。しかし、なんと言っても最大の魅力は「柳生もの」ということにあります。何故なら、「柳生もの」が今も昔もチャンバラ小説の王道だからです。

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# by arihideharu | 2010-03-12 18:08 | Comments(0)
リアリティー
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 絵というものは感動とかリアリティーを追い求めるものですが、やはり虚構です。 虚構は現実には敵いません。これは日々の感想です。それでも、虚構と現実の追っ掛けっこが絵描きの仕事だと思っています。  

 そんな絵描き人生の中で、最大の感動はなんだったと問われれば、ぼくは迷わずこう答えます。それは自分の子供が誕生したときですと…。

 これは経験したことのない感動でした。おそらく、人間の本質と直結した喜びから来ているからだと思います。

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# by arihideharu | 2010-03-07 01:32 | Comments(0)
もうひとつの世界(3)
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 高校の頃、美術部の隣に文芸部があったという話しを前回書きました。その彼らから、いろんな本を教えられました。その中でかなり強烈だったものがあります。

 寺山修司の「書を捨てよ、町に出よう」を代表する著作物です。これには驚きました。何故なら、これ全編もうひとつの世界だったからです。

 ぼくがそれまでしていた空想は現実離れした、予定調和の世界です。しかし寺山修司のもうひとつの世界はその逆ともいえるものでした。

 つまり、こうです。呪文を唱え、もうひとつの世界への扉を開け中へ入ります。すると、そこには自分がいるいつもの現実の世界と、寸分違わない世界があったのです。しかし、どこか違います。明らかにもうひとつの世界です。この感覚を確認するために、もとの世界に帰ります。ところが現実の世界のはずがどこか変です。

 迷宮に入り込んだのです。もといた世界に本当に帰れなくなった恐怖が、ぼくを襲います。

 明らかに大人の世界へ入り込んだ自覚をした瞬間です。

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# by arihideharu | 2010-02-21 11:41 | 読書 | Comments(0)
もうひとつの世界(2)

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 前回、映画「アバター」にからめてエドガー・ライス・バローズの「火星シリーズ」について少し書きました。このことについてもう少し書きたいと思います。

 子供の頃はいろんな夢を見たり空想をしたりします。特に就寝前はそれがピークを迎えます。布団に入り、目をつむるとき少しドキドキし始めます。日頃している空想を夢の中にすべり込ませ、睡眠中に見る準備をするからです。

 それが「火星シリーズ」を知ってから、ぼくの場合就寝前の空想はこれ一色となります。こういう具合です。

 眠くなりかけたとき、呪文を唱えます。すると、もうひとつの世界の扉が大きくゆっくりと開きます。ぼくは彼の地、火星で目覚めるのです。そして、すっくと立ち新しい冒険を始めます。勿論、それはもうひとりのデジャー・ソリスを娶る旅でもあります。やがて冒険はぼくのオリジナル作品となっていきます。

  ぼくは少年期からかなり長い間、この就寝儀式を繰り返していました。でも、このことをほとんど誰にも話していません。というのも、恥ずかしいのもありますが、意外にこのシリーズを読んでいる人が少なかったかったせいだと思っています。あるいはぼくと同じように、本当の読者はその事実を隠していて話題にするのを嫌ったのかもしれません。
 
 高校のときぼくは美術部にいました。同学年で男子はぼくひとりだけで、あとの多数は女子でした。隣に文芸部がありました。ここは男子ばかりで、いずれも一癖ありそうなヤツばかりです。当然、彼らは何かと美術部に遊びに来ました。勿論、目当ては女子にありました。それはさておき、彼らは本を読むのが好きな者の集団ですから、読んだ本の話しを一緒に沢山しました。しかし、エドガー・ライス・バローズの「火星シリーズ」についてしゃべった記憶がありません。

 上京しぼくは多くの画学生と知り合いました。画学生は大概、小説や映画が大好きです。ところが「火星シリーズ」で話しに花が咲いた記憶がありません。これは偶然だったのでしょうか、不思議です。

 ただ言えることは「火星シリーズ」を読んだ者はもうひとつの世界へ行く回路を頭の中に埋め込まれ、ある信号が見えたり聞こえたとき、否応なくその世界へ引き込まれる定めになっていることです。ここでやっかいなのは、現実の世界へ帰れなくなる危険があることです。

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# by arihideharu | 2010-02-16 15:56 | 読書 | Comments(0)